株式会社飛鳥工務店

理念Philosophy

理念

 それぞれの木の持つ「くせ」を見極め、その「くせ」を活かせる配置をし、日本古来の継手、仕口を施し、その木々を組み上げる。この木組みによる軸組は「貫」と呼ばれる水平部材でつなぎとめられ、ちょうど竹籠のような構造体になっています。様々な方向からの外力を柔軟に受け流す作りです。しかも、その足元は「石場建て」といい自然石の上にその石の形状に合わせて根元に加工を施された柱を乗せただけのもの。必要以上の地震力が加われば、建物が壊れるのではなく、礎石から建物自体がずれる仕組みです。
 大きな力をしなやかに受け流すいたって「和風」な工法。それが日本の伝統工法なのです。

天然乾燥材使用のこだわり

 切ったばかりの木は水分を多く含み、すぐに使えないため、水分を抜く工程が必要になります。その乾燥方法は大きく分けて2つあります。


【天然乾燥】古来から行っている方法で、10月~2月に伐採した材木を最低でも1年以上かけ、自然の気候で乾燥させます。乾燥後も木本来の香りがし、樹脂が残っていてツヤもあります。手加工の際、粘りがあり、折れにくいと感じました。

【人工乾燥】近年の木造建築に使用が多い方法で、10日程かけ高温機械で乾燥させます。内部が焼けていて乾燥後は焦げ臭く、樹脂が無くパサパサしています。手加工の際、無理すると折れてしまうと感じました。


 上記のことを大工の私が感じ、その為弊社で制作する社寺・山車・住宅は、天然乾燥材しか使用しておりません。何故、そこまでこだわるのかと思われる方もいらっしゃると思いますが、料理人が素材にこだわるのと同じ事だと思います。
 木は人間と似ていて、一本一本違った性格が出てきます。乾燥に伴い自由な方向に曲がったり、割れたりしていきます。その時点で木を知り尽くしている棟梁が、適材適所に材料を見極め、骨組を考えるからこそ本当に良い作品ができるのです。その為“天然乾燥置場”を設け、沢山の材料を天然乾燥させております。
 弊社を選択してくれたお施主様との縁と感謝を大切にするため、昔ながらの長持ちする作品を自信を持って提供いたします。

伝統・在来工法

 法隆寺が1400年も耐え続けているのを見れば、如何に伝統工法が強いのかという事が証明できるかと思います。
 しかしながら現代では建築基準法があり、金物・ボトルも使わなければ申請が困難なのは事実です。伝統を肩に背負ってる現代の私共にできることは、金物に頼らずとも木組だけで強固にしておき、プラスで法的な金物を取付けるという事です。

 誰もが目にしたことのある、祭典で曳き回す屋台も弊社は製作しております。祭りの曳き回しを別の見方で建物に置き換えると、かなりの地震が幾度と起こっているにも関わらず、木組と木の粘りで何十年も耐えています。そういったことを含めて考えると、住宅にも社寺仏閣にも、自然乾燥材での木組は必須だと考えております。

 住宅でいえば、組立貼り付けが増えて、カケヤも必要ない上棟が増え続けている中、弊社は昔と変わらないやり方で施工いたしております。カケヤで叩いてホゾを効かすという工法がいかに強いか、弊社の上棟をご覧いただければお分かりになると思います。
 伝統工法も取り入れた造り、大手メーカーなどが真似できない宮大工ならではの技術で、ご満足いただける家をご提供いたします。

墨付け・手刻み・伝承

 基本的に構造材をはじめとした梁や柱など、自社にて墨付け・手刻みで加工しています。化粧柱や桁や野物は全て手鉋で職人が、一本一本気持ちを込めて仕上げます。
 日本伝統技術保持者がいる上、国家資格である建築大工1級技能士、2級技能士所持者が施工します。

 他所から聞こえてくる声は「今での大工はノミ・カンナは必要ない」と聞きますが、それでは若い世代に伝える事が出来ない為、育成にならず、結果的に職人の高齢化に繋がり、いつかは絶えて、絶えてしまえば復活することも難しくなります。
 昔の職人に比べれば、電気機械・重機・道具・情報などかなり進化しています。宮大工といえど、文明の利器は使いながら、大事なところはしっかり後世に伝えていくことも使命だと思っております。

飛鳥に寄せられたお客さまの感想をご紹介します。